私の掲げるセミリタイアは、リタイア後にも“ゆるく働く可能性”を否定しない、という意味で選択しています。
本音を言えば、セミリタイア後は実質的に完全リタイアでありたいと思っています。
日々の家計や資産管理をきちんと行い、計画的に準備を進めていけば、働かずとも暮らしていけるラインは見えているつもりです。
それでも、人生には想定外のことが起きます。
金利や為替、株価といった経済環境の変化、家族や健康の問題、どれも自分の力ではコントロールできない要素です。
そのため、どんなに計画を立てても、「働く可能性がゼロ」とは言い切れません。
今回は、もしそうした事態が起きたとき、どれくらい働く必要があるのかを具体的に想像してみたいと思います。
働くとしたら、50歳から60歳の10年間
仮に働くとしたら、50歳から60歳までの10年間が現実的です。
60歳を超えてからの労働は、体力的にも精神的にもしたくありませんし、実際にするつもりもありません。
そのため、セミリタイア後の働き方は、この10年間に焦点を当てて考えるのが自然です。
保守的なケースを想定してみる
資産が足りないケースを想定するために、少し厳しめの条件を置いてみます。
50歳セミリタイア時の資産を4,000万円、60歳時点で3,000万円を残すことを目標に設定します。
夫婦二人の生活費は、年間200〜240万円ほどで考えているため、ここでは年間240万円で計算します。
リスク資産は3000万円、利回り3%とします。
この条件で単純に計算すると、60歳までの10年間に“働いて補う必要がある金額”はおよそ350万円となります。
1年あたりにすると約35万円、1か月あたり3万円ほど。
この程度であれば、何かしらの副業や短時間の仕事で十分に対応できる金額です。
生活のペースを大きく崩すことなく、「必要な分だけ、現実的に働く」という範囲に収まると思います。
株価の暴落に遭遇した場合(極端なケース)
セミリタイア直後、もしこの期間に株価の大きな下落が起きた場合、資産の取り崩しや生活設計に少なからず影響が及びます。
たとえばリスク資産3,000万円が一時的に30%下落したとすると、評価額は2,100万円まで減少します。
一時的な下落であれば問題ありませんが、その状態が長引けば、生活費の取り崩しペースを見直す必要が出てきます。
このような状況を想定して、まず生活費は年間180万円まで圧縮可能だと考えています。
そのうえで、退職金を含めた現金資産1,000万円と、月に4万円ほどの収入が得られれば、多少選択肢が減るとしても、のんびりとした生活の維持は十分可能だと思います。
保守的な想定と極端な想定では立ち回り方が異なりますが、どちらのケースでも“必要となる収入”は月あたり3〜4万円がひとつの目安になりそうです。
この金額を参考にすれば、より具体的にどんな働き方が適しているかを考えることができますし、セミリタイアまでの期間に副収入の仕組みを確立できれば、相場環境に左右されにくい、安定した暮らし方につながると思います。
まとめ
セミリタイアという生き方を考えるとき、「働かないこと」を理想としながらも、 “働く可能性”についても想定しておくことで、安心につながるように思います。
今回の試算では、保守的に見積もっても、たとえ株価が大きく下落したとしても、月3~4万円前後の収入があれば、生活の安定は十分に保てると感じました。
次の記事では、この“月3〜4万円を補う働き方”をテーマに、具体的にどんな働き方が出来そうかを考えてみたいと思います。